【音楽は言語】ヴィクター・ウッテンの情報まとめ




グラミー賞受賞の最高峰のベーシスト・音楽家であるVictor Wooten(ヴィクター・ウッテン)を紹介します!





スポンサーリンク

プロフィール・経歴

本名:Victor Lemonte Wooten
生年月日:1964年9月11日
出身:アメリカ合衆国 バージニア州ハンプトン


5人兄弟の一番上のお兄さん(ギタリストのRegi Wooten)からベースを教わったのがベースとの出会いです。この時ヴィクターは若干3歳です。

5歳になる頃にはすでに単純なラインを弾けるようになっていました。セッションも行うようになり、兄弟バンドThe Wooten Brothersのベーシストとしてメジャー・デビューするようになります。この時もヴィクターはまだ5歳です!

中学生の頃はオーケストラ部に入部してチェロを担当します。高校生になると、兄弟全員で遊園地の演奏家の仕事を引き受けるようになります。この時のヴィクターの担当楽器はまさかのヴァイオリン(年が若すぎてベーシストとしては雇ってもらえなかった)でした。しかし、ヴァイオリンをも弾きこなして兄弟は遊園地の人気者になります。この時から交友関係が広がり、有名ミュージシャンと共演してライブを開ける様になっていきます。

Victor Wooten
Five-time Grammy winner, founding member of the super-group Bela Fleck and the Flecktones, a skilled naturalist and teacher, a published author, a magician and...



24歳の頃になると、ブルース・ソウル歌手Jonell Mosser(ジョネル・モッサー)のベーシストとして1年間活躍した後、兄でドラマーのRoy Wooten a.k.a.Future Man (ロイ・ウッテン 別名フューチャー・マン)らとBéla Fleck and the Flecktonesというインストゥルメンタルバンドを結成し活動を開始します。コードや旋律の役割を担うキーボードの奏者が脱退したことを機にヴィクターはその役割の分までもベースで活躍することになります。


32歳の年には、初のソロ・アルバム『A Show Of Hands』を発表します。

アルバムを通してベースの演奏がメインとなっています!


その後もソロの作品を発表しつづけますが、現在までに5度のグラミー賞(インストゥルメンタル作曲賞など)を受賞しています。



ヴィクター・ウッテンの音楽性・演奏スタイル

音楽性

ジャズ、フュージョン、ファンクなどを取り入れた独特のサウンドが特徴です。新しいサウンドを追究するヴィクターの音楽は特定のジャンルからだけでなく幅広い層の音楽ファンから支持を得ています。

速弾きや高度なスラップなど技術的に難しいことを演奏に取り入れますが、技術を披露して見せびらかそうというものではなくそこには必ず音楽としての魅力があるのが特徴です。

「Music as a language(言語のように音楽を)」と語るように、ヴィクターは3歳の頃から母語を習得するように音楽に触れあってきました。言葉が感情を伝えるように、彼の音楽もまたセンセーショナルに訴えかけてくるようです。


↑本人の言葉で音楽についての考え方が語られています。(日本語字幕あり)
ちなみに、テクニカルな面が注目されがちですが、この動画内の美しいハーモニクスを使った『Amazing Grace』のような演奏もされる方です。聴き手の心をいつの間にかさらっていってしまうような不思議な魅力があります。



演奏スタイル

ロータリースラップや独特なタッピング、ハーモニクスを取り入れた奏法が特徴的です。

ロータリースラップ(四連スラップ):
親指サムピングダウン→親指サムピングアップ→人差し指プル→中指プルという手順で1ストロークで4つの音を鳴らす。さらに左手のハンマリング・プリング等を絡めることで非常に音数の多いテクニカルなスラップフレーズを演奏する。

・タッピング:
複数の指を同時にタップするという独特な手法。さらにそれを応用して、左右の手を同時に使い、まるでピアノのソロ曲のようにベースライン・コード・メロディをベース1本で演奏する。


ヴィクターはベーシストとしては珍しくコードも奏でるプレイヤーで、独特なタッピングで旋律の中にコードをを織り交ぜながら演奏します。音楽的で立体感のある演奏というのがヴィクターの特徴といえるでしょう。


こちらはベースソロ演奏の一例の動画です。スラップ中心の非常にグルーヴィな演奏です。

動画を観てみると、難解な奏法をしているのにも関わらずほとんど手元を見ていないことが分かります。まるで息をするかのように、言葉を話すかのような自然なたたずまいです。こういった一面も彼のスタイルといえるのかもしれません。

この動画ですが、02:45あたりで演奏中にG弦(一番下の弦)が切れてしまうアクシデントに遭います。しかし、ヴィクターはその後も何事もなかったように演奏を続けます。この臨機対応できる演奏技術と音楽家のハートも素晴らしい点ですね!



逸話・ストーリー

ミュージシャン活動の現場、講演や学校での指導などの現場などで興味深い話が残っています。今回はその中でもいくつかピックアップして紹介します

弦は自分の心と聴き手の架け橋

自分が思い描くものを表現するものとして弦は大切だと語るヴィクター。

そんなヴィクターは極細の弦を使っています。自由度の高く、美しく、繊細な音の表現にはこうした細い弦が支えになっているのですね。

ちなみに、ヴィクターのシグネチャーモデルがPURE BLUESシリーズより発売されているようです!





↓弦に関するインタビュー動画(語り口が優しくて饒舌で聞き入ってしまいますね…)




「いい人たちだから」という理由

ヴィクターが愛用するベースは、アメリカの高級エレキベースメーカーFodera社のもの。19歳の頃から40年間ずっと愛用しています。

Foderaを選んだ理由は、楽器がどうこうではなく、Fodera社の人達が良い人だからだそうです。そういうヴィクターの人間味というか人となりを感じさせるエピソードですね!



バークリーの生徒も太刀打ちできない…!?

バークリー音楽大学でヴィクターが講義の中で行ったリズム練習ですが、難易度が高すぎて生徒が苦戦したと知られています。バークリー音楽大学といえば各地から超優秀な人材が集まる学校ですが、そこの生徒をもってしてもヴィクターのリズムは難しかったというわけです。


その様子は映像として残っています。デモ演奏と音楽の大切な10の要素を語ったこちらのDVDに収録されています。

筆者はまだゲットして中身を確認できていません…。近々購入して視聴しますので、またそのうちレビュー記事をアップしますね!



さいごに

たいていミュージシャンのことを調べると、「天才だけどたくさん努力した」「どんなときでも練習した」といった節の内容を目にするのですが、ヴィクター・ウッテンの場合はそれがありませんでした。

もしかしたらですが、一般的な目でみたらとんでもない努力と映るようなことでもヴィクターにとっては自然なことだからあまり情報として出回らないのかもしれませんね。それこそ、母語をマスターするのに苦労したという話を耳にしないように。





コメント

タイトルとURLをコピーしました