【ドラムスの本質を追究】ネイト・スミスの情報まとめ




ドラマーとしても作曲家としても活躍し、多くのミュージシャンから支持されているNate Smith(ネイト・スミス)の情報をまとめて紹介していきます!




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プロフィール・経歴

本名:Ira Nathaniel Smith
生年月日:1974年12月14日
出身:アメリカ合衆国ヴァージニア州チェサピーク


ネイト・スミスは少年時代、父親の影響から音楽に興味を持ちます。父親のレコードやビデオのコレクション、またラジオなどで60年代・70年代のジャズ、フージョン、R&Bの音楽をよく聴いていたそうです。

特にBuddy Rich(バディ・リッチ)やSteve Gadd(スティーヴ・ガッド)、Billy Cobham(ビリー・コブハム)といったジャズやフュージョンのドラマーたちの演奏はネイト少年がドラマーを目指すきかっけになりました。



母親の勧めでピアノを習い始めますが、1年ほどレッスンに通った後、ドラムスの演奏に転向しました。しかし、後にこのピアノの経験が彼の作曲活動に貢献することになります。




10歳年の離れた兄もドラムを演奏していました。兄が楽しそうにドラムスを演奏している姿を見ていたネイト少年は、兄が大学へ進学するタイミングで彼のドラムセットをいじり始め、これまで聴いていた音楽を演奏しようと試みます。この時、まだ8・9歳でした。




11歳の頃には、学校のバンドでドラムスを担当することになります。課外活動では、教会のゴスペルの伴奏(特別な機会・バンド編成において)や母親が指揮する聖歌隊のコンサートでドラムスを演奏していました。ピアノ演奏をすることもあったようです。



高校へ進学すると、コンサートバンドで打楽器パート(主にティンパニー)を担当することになります。この当時、作曲意欲が高く、実際に『Serenade for a Picket Fence』という曲をリライティングしてバンドに持ち込みます。これが初めて作曲した楽曲をバンドで演奏するという経験になりました。



大学在学中には、国際ジャズ教育協会の会議で演奏する機会を得ます。そこでジャズシンガーのBetty Carter(ベティ・カーター)と出会い、ニューヨーク市のブルーノートでの共同公演に招待されます。



大学院に進学後、バージニア・コモンウェルス大学の研究に招待されますが、そこでジャズベーシストのDave Holland(デイヴ・ホランド)と出会います。2003年(ネイトが29歳の時)にホランドのクインテットのメンバーとして、アルバム『Critical Mass』(2005年)と『Pathways』(2009年)に参加しすることになります。この頃には、ジャズだけではなくヒップホップやクラブ系などのジャンルにも活動の幅を広げながら、大御所ミュージシャンと数多くの共演の機会を得ていきます。



20代後半の頃には、作曲・プロデュースの活動も盛んだったようです。2001年にはMichael Jackson(マイケル・ジャクソン)の『Heaven Can Wait』を共同制作したり、2008年には自身ソロ名義のファースト・アルバム『Workday, Waterbaby Music Vol. 1.0』をリリースしたりしています。




2017年にはKinfolkという新しいプロジェクト名義のファーストアルバム『Kinfolk: Postcards from Everywhere』をリリースします。このアルバムはこの年のグラミー賞ノミネート作品となりました。




近年では、作品やコンサートの場だけでなく、ネット動画などを通じて数えきれないほど多くのミュージシャンに強い影響を与え続けている偉大なミュージシャンとして認知されています。



ネイト・スミスの音楽性・演奏スタイル

音楽性

ネイトの音楽・演奏は、シンプルでいてとても心地がいいです!奇抜なアプローチはせず、音色やリズム勝負な一面が強いミュージシャンだと言えるでしょう。

ネイトのドラムスはよく「人間味があって心地が良い」と評されますが、それは打ち込み(プログラミング)では生み出せない細かい音のニュアンスや絶妙なリズムの揺らぎ・ヨレなどがあるからです。

2018年リリースの『Pocket Change』はドラムスのソロ演奏を収録したアルバムですが、このアルバムを聴けばその心地よさを分かりやすく体感することが出来ます。



メロディーやコードがなくとも、楽曲に物語性をもたせることができるのは、彼の言葉を借りて言うと「感情や思想の表現手段として楽器を使いこなす」ことを心掛けているからでしょう。また、ピアノ演奏やバンドの作曲の経験が、曲想やドラムスの演奏に貢献しているようにも思えます。



演奏スタイル

ネイトのドラムセットはとてもシンプルです。楽器の構成も装飾も余計なものは取り除き、シンプルにドラムスの演奏で勝負といった感じがします。


↑こちらの演奏でも、スティックからブラシやシェイカーへの持ち替えが多少あるくらいで、シンプルな楽器構成でのぞんでいます。


とあるインタビューでは以下のようにコメントを残しています。

「ドラムスは比較的新しい楽器で、今でも進化しているし、僕らはその可能性を常に追求し続けている。とは言え、両手両足で演奏することは変わらないから、その可能性は結局、人間の能力次第ということになるんだけどね」
出典:https://www.arban-mag.com/article/76550

彼のドラムスに対する真摯な姿勢が見受けられますね。それゆえ、ドラムス一本勝負というような演奏スタイルでのぞんでいるのではないでしょうか。


逸話・ストーリー

ネイト・スミスの音楽にまつわるエピソードを過去のインタビューや発言の中からピックアップしてお届けします!

ドラムスは独学

ドラムスの技術は独学で習得していったそうです。ドラムスの演奏方法は、父が所有していたレコードやビデオ、また兄の演奏を通して知ります。高校在学時は、マートングバンドのコーチから基礎を教わることもあったそうですが、基本的には独学で技術を向上させていきました。

練習方法としては、楽曲のカバーや楽曲に合わせてドラムスを叩くという手法をとっていたようです。楽曲に合わせて演奏することで、バンド全体のサウンドを耳で捉える感性が養われたと語っています。


音楽は“真の感情”表現

ドラムスひいては楽器を“真の感情”を伝える道具と考えているそうです。だから、音楽の技術的な面よりも感情をどう伝えるかどう伝わるかを重要視しているようです。物語を伝えるときのように、感情や記憶を呼び起こすときにように、人間の内面にアクションをかけるようなことを大切にしていると語っています。


即興演奏から生まれるもの

即興演奏も作曲活動も行うネイト・スミスにとって即興と作曲に違いがあるのかは気になるところ。過去のインタビューでは、「違いがあるのか​​はわかりません。すべてどこかで始まり、どこかにつながります。」と答えていました。また、即興と作曲は非常に密接な関係にあり、楽曲のほとんどは即興演奏から生まれたものであると考えているそうです。

猫がピアノの鍵盤を歩いた時に奏でた音がオシャレであったエピソードも語られていました。ふいに聞こえた音がいずれ音楽となることも、楽曲に挿入された即興演奏が曲想を広げることもあるということで、即興(偶発)的な出来事が作曲活動に繋がることもあるということですね。



さいごに

今回はドラマー・作曲家のネイト・スミスを紹介しました。

子供の頃からドラムス一筋で、数多くのミュージシャンや楽曲に影響され、練習と研究を重ねて続けている素晴らしい人物です。ちなみに、最も影響されたドラマーには、Elvin Jones(エルビン・ジョーンズ)、Max Roach(マックス・ローチ)、Art Blakey(アート・ブレイキー)の3人を挙げています。

今では数多くのミュージシャンに多大な影響を与え続けている音楽家でもあります。

現在はKinfolkの活動が注目されており、先日2023年3月には来日公演を果たしていました。演奏・制作・教育さまざまな分野で活躍されているネイト・スミスの動向は要チェックです!




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