楽曲分析シリーズ!
今回はEd Sheeranの『Shape of You』です。
楽曲の魅力や構造について解説していきます。
✅ YouTubeにも動画解説を上げました。
是非併せてチェックしてみて下さい!
✅ Ed Sheeranのプロフィールはコチラ
楽曲概要
2017年リリースの14thシングル。
2017年3月3日リリースの3rdアルバム『÷(ディバイド)』収録曲。
制作 :Johnny McDaid, Steve Mac, Ed Sheeran, Kandi Burruss, Kevin Briggs, Tameka Cottle
プロデューサー :Steve Mac
全英シングルチャートで初登場1位、全米シングルチャートでも初登場1位を記録するなどリリース当時から人気の高い楽曲です。Ed Sheeranの代表曲として日本でもよく知られています。
この楽曲は音の構成も音楽のジャンルも様々なものが重なりあって出来ています。
ヒップホップ調でありながらもトロピカル・ハウスの要素を織り交ぜた楽曲です。トロピカルなリフ、聴き心地の良いコーラス、ラップのような音数が多く早いパッセージが印象的です。
楽曲分析
原曲Key=C#m(C#マイナー)
ナチュラル・マイナー・スケール
原曲BPM=96くらい
コード進行
C#m→F#m→A→B(Ⅰ→Ⅳ→Ⅵ→Ⅶ)
楽曲の特徴
①リフ
② ペンタトニック・スケール
①リフ
まず、この楽曲で印象的なリフに注目してみましょう。スチールパンのような優しく丸い音色が心地良いです。(上の音源にはビブラフォンを採用しました)
1~3小節目までは“ ド#・ミ・ド# ”とリズミカルに音を刻み、4小節目で“ レ# ド# シ”と音が下行してまた頭に戻ります。この循環がスムーズでずっとリフレインさせても聴いていられる気がします。
音の長さが、“長い・長い・短い”の繰り返しです。長い音は強調されて聴こえ、短い音は弱く聴こえ次の音を引き立たせる(アーフタクト)ためメリハリが利いた躍動感のあるリフになっています。
コードと併せて聴くとさらに躍動感が増します。
コード上の音のハマりが良いですね。
②ペンタトニック・スケール
続いてメロディーについてです。
メロディー(歌唱部分)は全て ペンタトニック・スケール /ヨナ抜き音階(4・7番目の音:ここではラとレ#が省かれている)になっていています。
さらにこの楽曲のメロディーの面白い点をピックアップしたいと思います。
着目したいのは、コードに含まれない音です。
『Shape of You』のメロディーはコードに含まれない音が多く使われています。青で囲った箇所はコードに含まれる音、赤で囲った箇所はコードに含まれない音です。
<Aメロ 冒頭>
<Aメロ 続き>
<サビ コーラス>
他でも該当する箇所はありますが、分かりやすいところをピックアップしました。
コードに含まれない音なら何でもいいわけではなくて、気持ちよく聴かせるために適当な音というのがあります。特に『Shape of You』のように連続してこの音を使う場合には。
『Shape of You』では、特に7thと9thの音が多用されている印象を受けます。文字通り7thは7番目の音、9thは9番目の音です。何から数えてかというと、コードのルート音(C♯mのコードならド♯)です。
この7thや9thの音がコードと共に鳴ると、コードのキャラクターが変化します。音の感じ方は人それぞれなのですが、例えば、7thは“明るさの中にも陰りを感じさせる” “透明感がある”、9thは“艶っぽさを感じさせる”などです。
『Shape of You』においては、F♯mやAのコードに対しての7thや9thの音がよく使われています。
F♯m→7th:ミ 9th:ソ♯
A→7th:ソ♯ 9th:シ
もちろん他の音もあるのですが、特に目立つのは上記の音でしょう。
耳を凝らして(特にコードとメロディーの響きの変化に注意して)上の音源を聴いてみて下さい。調性感と相まって明るさも暗さも感じさせる独特のキャラクターをもつメロディーラインになっていると感じるでしょう。
おすすめパフォーマンス動画
『Shape of You』は楽曲の完成度も素晴らしいですが、何よりEd Sheeranによるパフォーマンスがとてもいいので是非聴いてください。
先述した解説を踏まえて聴いていただけると幸いです。
メジャーともマイナーとも割り切れないコードの感じや、明るさにも陰りを感じさせるメロディーラインなど『Shape of You』独特の音楽を一緒に楽しみましょう!
ライブパフォーマンス動画を貼っておきます。0からその場で音をつくりあげていく様は見所です。
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