【下地が必要!!】耳コピができるようになるために

耳コピを上達するためのアイデアに関する記事です。この記事では具体的方法を示すというより、耳コピするために必要な要素についての考察を紹介しています。

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耳コピできる人とできない人

耳コピができる人には音感があり、耳コピをたくさんやってきた人だという認識が私にはありました。しかし、それは完全に正解とは言えないと思わされた出来事がありました。まずはそれを紹介します。ちなみに、筆者は耳コピをあまり“できない”人です。


まず、1つ目の出来事が音楽にあまり関心のない友人とある楽曲について話していた時のことです。その楽曲のベース(低音)が心地いいという話を持ち掛けたのですが、友人は「ベースの音なんて聞こえないよ」と答えたのです。そう、ベースに関心をもった私と音楽にそれほど関心をもたない友人の間で曲の聞こえ方が異なったのです。

筆者は決して耳がいい方ではありませんが、音楽が好きで楽曲の構造にはそれなりに関心を持っています。それゆえ、ベースというものがどういう楽器でどういう音を奏でるかについて予備知識があったわけです。対して、音楽にあまり関心のない友人はベースという楽器を知りませんでした。考えれば当たり前かもしれませんが、知らないものは理解できない=聞き取れないという仮説が立ったわけです。


別の話で、先日訪れたベースのレジェンド リチャード・ボナのライブでの出来事です。ボナといえば、とても心地のよいグルーブと切れのあるリズムが最高のミュージシャンです。この日はミュージシャンの友人とライブを鑑賞したのですが、今回は逆に私が聞き取れていない立場にあることを思い知らされました。

音の立ち上がりや音を切るタイミングやその切れ具合については素人にもはっきりと分かるほど素晴らしかったです。しかし、音として表れていないニュアンスやグルーブやリズムを理解していない(体験していない)と補完できない音の文脈に関してはついていけませんでした。例えるなら、日本語って主語や目的語を省略したりあえて言わなかったりする言語ですが、そういう省略された言葉を多用する日本語ネイティブの会話に、日本語を覚えたての外国人として参加したような気分だったわけです。

公演後、友人と感想をシェアしたわけですが、リズムに詳しい友人が多く語るのを聞いていて、私はボナのリズムをうまく聞き取れていないことが明らかになったのです。リズム感がない、レベルが足りていないという話ももちろんあるのですが、それ以前にそのリズムを知らないと聞き取ることも出来ないというものだと思い知らされました。(HUNTER×HUNTERでいう念を知らない状態ですね。)

\ちなみに、そのボナのライブのリポートはコチラ/

【ライブリポート】リチャード・ボナ・アサンテ・トリオライブに行ってきたぞ!!
世界的なベーシスト、ベース弾きなら知らない人はいない伝説のミュージシャン リチャード・ボナ(Richard Bona)のライブに行ってきたのでそのリポートです!!\ボナについて詳しくはコチラ/ライブ詳細RICHARD BONA ASANTE...






耳コピする音の下地をつくる

耳コピに話を置き換えると、音を知っている人は耳コピができ、知らない人はできないという話ではないかと思うのです。

音を知っているというのは、ひとつは絶対音感の持ち主のように音の絶対的基準を持っていて、瞬時に何の音かを知る能力があることです。もうひとつは音楽の中で音(メロディーやコード)がどういう動きをするのかをパターンとして知っていることだと考えています。知らないというのはこれらの感覚や知識・体験がないという状態です。

そうすると、音感を鍛え、耳コピをたくさんしようという話にいきつきたくなりますが、ここはグッと堪えましょう!なにせここに誰もが陥りそうな落とし穴があるからです。

その落とし穴は、音の距離感を理解しないままでいることで現れてしまいます。筆者は音感と耳コピにおいて最重要なことは音の距離感つまり音程だと考えています。耳コピを重ねれば、自然と音程の感覚は身に付いていきそうなものですが、これは正しくありません。音程は意識しないと身につかないからです。メロディーやコード進行をなぞって正誤をチェックするだけでは音程の感覚は正しく身につきません。(体験談)


今回の気付きのきっかけを与えてくれたリチャード・ボナも音程の練習を丁寧に何度も行っていたそうです。音と音の距離、「ドからミの音の間隔は?」「ミからソへ移行した音の響きはどうか」「ソとシを同時に鳴らしたときの音の距離感・響き方はどうか」など丁寧にみていく必要があるのです。

途方もない作業のようにも思えますが、世に楽曲は多くあれど使われる音程の傾向はある程度絞られます。「ド→レ→ミ」と移行するメロディーが多用されるように、音には次に向かう音の方向がある程度みえていて、それらをパターンとして知っていくことで真に音程が理解できると思うのです。

単音が2つ・3つ重なればコードになります。単音での音程の理解が進めば、いずれコード進行の音程についても理解が容易になるはずです。筆者もこうした取り組みを始めたばかりですが、感覚的にこれまでよりも音の理解が進んできていると実感しています。


耳コピには音程の理解という下地づくりが不可欠です!耳コピに何度挑戦しても失敗してきた方はこの機会に是非音程の理解から見直していっしょに耳コピをマスターしましょう!!



さいごに

今回の記事ですが、「目から鱗」というような内容ではなかったと思います。人によっては当たり前だろうと感じたかもしれませんね。しかし、本質的に大事なことって案外こういう当たり前の話だったりすると思うのです。

執筆をしようと思いたったのは、体験と気付きをシェアしたいという思いと自分自身への戒めとして文章を残したいという思いがあったからです。

さらに気づき・進展があれば追記していきます!!



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