音楽用語のピッチと音程、この2つの用語の違いについてご存知でしょうか?プロの世界でも誤用が多いこの言葉たちを今回は簡単に解説をします!
ピッチとは
ピッチとは音の高さを意味します。
音の高さはヘルツ(Hz)という単位で表されます。ドなら約130ヘルツ、ラなら440ヘルツといった具合です。数値が大きいほど音が高いということです。
ヘルツがどの程度かなんてことは専門的な場面以外で話題にのぼることはないでしょう。とりあえずピッチは音の高さのことをいっていると覚えておけば問題ないと思います。
「あれ?音程も音の高さじゃないの?」と思った方は鋭いですね!ここに微妙なニュアンスの差があるのです。音程の説明と見比べていただければと思いますが、ここでは一旦、ピッチは音単体(単音)の音の高さを意味していると頭に置いていただければと思います。
音程とは
音程とは2音以上の音の隔たりを意味します。
音程も音の高さを表す用語なのですが、厳密には2音以上の音の高さがどれくらい離れているかを意味する用語なのです。
ピッチと音程の違い
例えば、目の前に2つのビルが建っているとします。ピッチはそれぞれのビルの高さがどれくらいかに焦点を当てます。対して音程はこの2つのビルを比べてどれくらい高さが異なるのかに焦点を当てます。
音楽に話を戻すと、メロディーの中の1音1音の音の高さについて言及しているのがピッチで、メロディーライン(音の繋がり)の中での音の高さの移動について言及しているのが音程というわけです。
どうですか?結構微妙なニュアンスの違い、面倒な違いだと思いませんか?
現に、音楽業界でプロとして活躍されている方でもこの違いを曖昧にして使用している人を見受けます。厳密に言えば誤用だと思う場面がありますが、文脈によっては言い分けることが難しい言葉でもあります。「ピッチ(あるいは音程)が良い・悪い」なんて話は結構この手の問題にぶち当たります。
個人的な見解としては、日本語のよくある誤用や読み違い(重複は「ちょうふく」なのか「じゅうふく」なのか等)の類に似た話と捉えています。ですから、あまり目クジラを立てなくていい話と受け止めています。
音楽学校の試験や明らかに使い分けを求められている場面以外では、単に「音の高さ」を言い表す言葉として両者を使ってもそれほど差し支えはないように感じます。
最後に
筆者が執筆をおこなっているこちらのサイトの記事では図解付きでこのピッチと音程の話を掘り下げています。
ギタースクール向けに執筆した内容ですが、ギタリスト以外の音楽理論初心者の方でも読み進めることができる入門記事ですのでよければご覧ください!!
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