『Break free』 楽曲分析・解説



Ariana Grandeの『Break free』の楽曲分析・解説ページです。

楽曲の構成や聴きどころ、歌のパフォーマンスを中心に解説していきます!


✅ Ariana Grande のプロフィールはこちらからチェックしてください。



楽曲概要



2014年リリース 2ndアルバム『My Everything』収録曲

作曲 : Savan Kotecha,Anton Zaslavski,Max Martin
プロデュース :Zedd,Max Martin

EDM調でアップテンポの非常にノリの良い楽曲です。DJ兼音楽プロデューサーのZeddがフィーチャリングしています。




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楽曲分析

原曲Key=Gm(Gマイナー)
※ナチュラルマイナースケール

原曲BPM=130くらい

主なコード進行
(イントロ~サビ前)
 Gm→Cm→B♭→E♭
 (Ⅰ→Ⅳ→Ⅲ→Ⅵ)

(サビ)
 ① E♭→Gm→F
 (Ⅵ→Ⅰ→Ⅶ)
 ② E♭→Gm→F→B♭
 (Ⅵ→Ⅰ→Ⅶ→Ⅲ
 ②’E♭→Gm→F→E♭→Cm
 (Ⅵ→Ⅰ→Ⅶ→Ⅵ→Ⅳ

(Cメロ)
 ① E♭→Gm→Dm→Cm→B♭
 (Ⅵ→ⅠⅤ→Ⅳ→Ⅲ
 ② E♭→Gm→F→Cm
 (Ⅵ→Ⅰ→Ⅶ→Ⅳ)
 ①’E♭→Gm→Dm→Cm   
 (Ⅵ→Ⅰ→Ⅴ→Ⅳ   

コード進行と伴奏、メロディー



まずは特徴的なイントロから見ていきましょう。

(イントロ)


イントロはシンセサイザーの演奏で始まります。音を遅らせるディレイや音の広がりを持たせる空間系のエフェクトなどがかかっており、一小節目終わりの音のピッチを下げたりと音遊びが多い箇所です。

(楽譜で再現するのは難しかったです。概ね基本の音は拾えていると思いますが、音色やエフェクトの感じは本家音源を参考にしてください。※見切れていますが、上記譜面は上下ともにト音記号です!)

イントロはEDMの色が濃く出てパンチが効いていますね。また、たった4小節ながらも楽曲全体の音楽性を要約して明示しているようかのように思います。



Aメロからはコード進行中心に見ていきましょう!

(Aメロ)

Aメロのコード進行はループ音楽によくある王道進行です。
(イントロも同じ進行です。)

トニックと呼ばれる安定した響きをもつ1・3・6番目のコード(Gm・B♭・E♭)の間に、サブドミナントと呼ばれるやや不安定な響きをもつ4番目のコード(Cm)が挟み込まれています。

音の響きの変化は大きくはありませんが、その分ループしていても気持ちよく聴くことの出来る進行になっています。


コードの上では以下の音が拍の頭を刻んでいます。

1~3小節目までは、コード構成音の3番目の音が使われていますね。コード構成音の3番目の音はコードのキャラクターを決定する大事な音で、これがはっきり鳴っているお陰でコード進行や調性感にまとまりが生まれます。

また、単に頭打ちをしているだけでなく、上記2小節目4拍目のような音を加えることで音の流れに動きをつけています。そして、曲が進むにつれ徐々にエフェクトがかかっていき、盛り上がりながらBメロへ突入します



つづいてBメロを見ていきましょう。

(Bメロ)
Bメロのコード進行はAメロまでと同じです。ただ、歌のリズムパターン・アクセントの位置が大きくことなります。比べて見てみましょう。

※赤丸箇所がアクセントの位置です。
(Bメロ)

アクセント位置:2拍目→1拍目→2拍目の16分4つ目→4拍目の裏→3拍目→2拍目


(Aメロ)

アクセント位置:1拍目→1拍目→3拍目→4拍目の裏

Aメロは比較的分かりやすいところにアクセントがあります。
しかし、Bメロは音形が細かくアクセント位置がコロコロ変わるだけでなく、入りが難しい箇所にアクセントが置かれていたりします。特に上記2小節目は音が食い気味に入り込んでいますよね。

こういったリズムパターン・アクセントの位置の変化が曲のメリハリを生みますし、このBメロのようなパターンは聴き手をハッとさせ、気持ちを高揚させる効果があると思います。



そして最後にサビを見ていきましょう。

サビ

サビのコード進行はいくつかパターンがありますが、基本的にはE♭→Gm→Fの循環です。Fの後にB♭やE♭→Cmが付け加えられたりします。

サビになるとバッキングパターンが変化します。これまで4つ打ちビートを刻んでいたものが、歌のリズムに寄り添ったものになります。

その歌のリズム・アクセント位置は目まぐるしく変化します。

(アクセント位置が多くて見にくくなってしまったため赤丸での表記を割愛しました。)

アクセントは基本拍の頭に置かれることが多いですが、サビに関してはそれ以外の箇所でもアクセントが置かれています。

アクセント位置を以下のように分類してみました。
音符の長さが前後と比べて長い箇所(1~7小節目)
 →特に1・2小節目は2拍目の裏がそうなのでシンコペーションになっている。
強調して歌唱している箇所(最後の一音除いて3小節目全体)
拍の頭(8・9小節目)

リズムパターンはアクセント位置が変化する箇所で同様に変化しています。

これだけ音が詰め込まれたメロディーラインで複雑に変化するリズム・アクセントはなかなか曲者です。さらっと歌いこなすAriana Grandeおそるべしですね。





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聴きどころ

EDMやリズムについてなど解説してみたものの、『Break Free』を視聴する時はそんな細かい理論めいたことを気にしなくてもいいと思っています。気にしなくても楽しくノれる楽曲です!


ここでは聴いていて楽しい・面白いと思った個人的押しポイントをいくつかお伝えします!

➀Ariana Grandeの声(吐息?)が楽器のように使われている(Bメロ冒頭)
②2番からはより高い音域でハモっている。
③2番Bメロからギターのカッティングが入りよりリズミカルになっている。
④Cメロ以降はさらに高い音域(ホイッスルボイス)がしれっと入っている。

等々です。

『Break Free』は音色や音の作りが本当に楽しい楽曲だなと思います。



余談

2014年、YouTuberのHIKAKINさんとAriana Grandeが動画内で『Break Free』をコラボで披露したことがありました。

HIKAKINさんのボイパはさることながらArianaの生歌が美しくて素晴らしく、リアクションがめっちゃ可愛いので併せて紹介しておきます。





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